この仕事を始めて直ぐに、後継者養成所という職業学校に通いました。その頃の養成所はずいぶんとノンビリした雰囲気で、ウチの仕事が忙しいと長期で休んだり・・。そこである先生に習っていました。その当時も、ご高齢でしたが非常に丁寧に教えてくださったのを覚えています。今月、とうとうお仕事を引退されるとのこと。御年は93歳!最近でも現役の仕事をこなされてました。公私共にお世話になり、引退は非常に残念ですが御年を思...
暑いですね 梅雨は暑くないと困りますが・・。漆になにも混ぜず塗る。とは言っても、梅雨はさすがに乾固が早すぎてとても塗れません。昔は一年サイクルで、夏はいくら早くてもいい下地の時期と決まっていました。季節に合わせて仕事が進んでいたんですね。でも現代では(うちでは?)そんな余裕なこと言っていられません。漆は料理みたいですが、塩分を足せば乾固は遅くなるんです。でも混ぜません。漆だけにこだわり塗るんです。...
またサボってました・・刷毛の漬き出しです。刷毛は漆を塗るのに使うんですが、当たり前のように減ります。均一に上手に減らすんですが、短くなりすぎると削りだしてまた新しい状態にして調整です。この刷毛、人毛なんです。真っ直ぐで痛みのない毛、しかも長い。7寸なんて長さなんで21cmでは足りません。パーマもダメなんで、現代の日本ではなかなか手に入りませんよね。ちょっと前は神社へ奉納され風雨に晒された髪が使われてい...
漆のスタンダードな塗りで必ずといっていいほど”ホコリ”が付きます。空気中の漂っているホコリもですが、刷毛からも出ます。付くのは仕方ないのですが、先の尖った竹などで1つ1つ取り除きます。これが乱視にはツライ。中2から乱視のメガネを掛けていますが、何本作っても目に合わない。アタマが痛くなりクラクラする。しかし7年位前にいい眼鏡屋さんを見つけました。山形県長井市にある『金栄堂』今までメガネを作るときに聞いた...
年が明けてもう4日・・。毎年ですが、年末のバタバタから年始の日の過ぎるのが早すぎる。この仕事をするようになり、いろいろな道具を揃えてきました。なかなか見ない道具が多いと思い、紹介していきます。まずは一番大事な刃物。『塗師屋 小刀』これは6寸。刃の長さが約18cm。これは下地の箆を削る為の短刀です。因みに撮影でこんな置き方をしていますが、ホントは逆です、裏が大事なんで。ショリショリに切れれば良いのではな...